目標達成について

日付:2023年6月21日

著者:新木 大地

ここ数年、目標を達成したいな、というときがよくあった。その目標をたてるたびに、やるぞ!という気持ちになるのに、数週間たつと、結局達成できていない自分がいた。そういうことをくりかえすたびに、「自分って目標立てるのむいてないんだろうな」「目標とか考えずにやったほうが自分のこと嫌いにならずに済むしいいんじゃないかな」と考えるようになっていた。

しかし、まわりの尊敬する大人は皆、目標を立てて、それぞれ自分の理想や夢にむかって臨んでいるように思う。目標志向のひとがうまくいくのか、まわりのうまくいっているひとが目標志向である傾向が高いのか、いくつか仮説は考えられたが、結局は現実が正解だ。私の観察範囲からは”目標をうまく立てて実行したひとが成果をだしている”のだ。そうであれば、私の目標設定から考え方、向き合う姿勢まで、すべて間違っている可能性が高い。

そのように気づいてから、しばらくの時間が経つが、脳科学や心理学関連の本を20冊ほど読み、尊敬する人にたくさん叱っていただいて、目標に関して人並みか、それ以上の解像度をもつことができた。今回、じぶんの考えてきたことを整理する意味も含め、個人的な解釈でまとめようと思う。多くは科学的根拠にもとづくものではないが「研究でいい成果をだしたい」「お金を稼ぎたい」「可愛い彼女をつくりたい」など、それぞれの目標を思い浮かべながら、聞いてみてほしい。

必要な体験

まずはどのような体験が必要なのか書き出してみる。

その目標を達成する過程で「どのような体験をしていくのか」「目標を達成したときに見るもの、感じること」に近い環境は、今の自分であればどのようにすれば疑似体験できるのか」を考えるといい。なにか感動したり心が動きそうなことがポイント。

もし「お金を月100万稼ぎたい」という目標であれば、

など。

成功人格の形成

目標達成には「じぶんは当たり前にこれくらいできる人間だ」という自分への許可が必要になる。この許可が下りていない精神状態だと、じぶんが目標達成するための行動ひとつひとつに強い抵抗感を覚えることがある。たとえば、仕事の返信も「めんどくさいなぁ、、」と思いながら、通知だけ見て何時間も放置してしまうなどだ。

この「めんどくさいなぁ、、」という気持ちや抵抗感はコンフォートゾーンといわれるものだ。ひとはやり慣れていないこと、いままでの自分だったらしないだろうな、ということに抵抗感や不安感、漠然とした気持ち悪さを覚え、やり慣れていること、今まで繰り返してきた行動パターンに安心感を覚えるという機能がある。

この機能のおかげで我々人類は繁栄してきた。原始時代に「お、なんかめっちゃ深い川あるじゃん!とびこもう!ひゃっほ~い!!」としていたら全滅だ。なので、この機能自体は必要なものであり、”めんどくさいと思ってしまう自分”を責める必要はないのだが、目標達成する際には壁になることが多い。

この今までのコンフォートゾーンを、成功するときのコンフォートゾーンまでズラす、という作業が必要になる。ではどうするか?

こたえは、自己評価を変えることだ。

コンフォートゾーンは自己評価によって形成される。「自分はお話上手な社交的人間だ」と思っている人は初対面の相手に話しかけることに抵抗がなさそうだ。逆に「自分は根暗陰キャです、、」というタイプは、かなりの抵抗があるはずだ。

私も自分のコミュニケーション能力にコンプレックスがあった時期があるので、どちらかというと自己評価は後者のタイプに近かった。

お話上手になるために、まずは「お話上手」という自己評価を獲得したい。そうすれば話すことへの抵抗感が消え、会話の機会が増え、勝手に能力は伸び、気づけば本当のお話上手になっている。

必要なのは行動のみだ。我々は思考してから行動する生物だ。と思いがちだが、実はそれはウソだ。

たとえば、いまサッカーボールがあなたの胸あたりの位置に飛んできたら、あなたはとっさに両手でキャッチするだろう。そこに思考はあっただろうか?まずはキャッチして、そこに対して「投げられたからキャッチしないと、ボールが転がっていくかも」「ぶつかるとちょっと痛いかもだし、受け取っておこう」という思考が”あとから”追いついてきたはずだ。断言する。あなたは行動してから思考した。そして手でキャッチしたのでハンドだ。

ここまで、行動に解釈がひもづけられるんだなぁ、というイメージができていれば幸いだ。

これをもとに考えると、お話上手なひとがするであろう行動をすれば「これができる私はお話上手だな」という解釈ができることが分かる。半自動にこの解釈が発生するのだが、意識的に解釈していくことをおすすめする。

私であれば

などの行動をしていた。この行動をするたびに「これができる自分ってことは、話上手だわ」と意識的な解釈をしていた。日記など、なにかに記録しておくと、見直すたびにくりかえし解釈できるのでもっとおすすめ。

こういった行動をして、意識的な解釈を行い、「話上手な自分」という自己評価を得て、目標達成後のコンフォートゾーンを作る。この一連の流れが、成功人格の作り方だ。

「行動を起こせばいい。それだけだ。」と分かっていても、やはり動けないときがある。頭の中で「どうせ○○だ」「めんどくさ」などの”声”が流れることもある。確かにそうだ...とおもったひとは、過去に傷ついた体験をしていることが多い。コミュニケーションでいえば、過去にいじめ経験があったり、過保護過干渉ぎみの母のもとで育ったり、そうでなくとも、なにかしらの人間関係のトラブルを経験したのかもしれない。挑戦する心が折れているのは、部活やスポーツ、学業で強烈な挫折経験があったのかもしれない。

そういった経験をして傷ついた当時は「頑張ってもうまくいかないじゃん」「こんなことしても意味なんてなかった」などと思っただろう。そして今でも挑戦するときには「どうせうまくいかないしな..」「こんなことしてもな..」という声が頭のなかで流れる。そうすることで挑戦せずに済むため、傷つくことから無意識に守られているのだ。要するに脳の防衛反応である。ただ、その染みついた「どうせ...」という解釈を変えなければ、目標達成は不可能だ。

これを乗り越えるには

ということについて、真剣に考えてみることだ。

「私たちの解釈なんて、当てにならないから、ちゃんと疑うんだぞ」と言いたい。

なぜか?

たとえば、私のことを怖いと、あなたが解釈していたとする。当然怖いので、話しかけない。結果、ずっと私のことは怖い人だと思い続けることになる。

一方、私のことを怖いと、あなた以外の誰かが解釈していたとする。だが、そこで一旦上記の3つについて考えてみる。

このように「ホントはそうじゃないのかも、、」と疑いを持ち、話しかけてみる。すると、彼にとっては、案外話しやすいタイプだった。

前者は、怖いという解釈が、怖いという現実を作っている。

後者は、怖いという解釈を疑うことで、話しやすいひと、という現実をつくった。

言い換えると、解釈が現実をつくっている。

だから、解釈を疑おうね、当てにならないからね、というお話になる。

話を戻すと、あなたは目標達成の過程で「できないかも」という染みついた解釈をもつかもしれない。だが、それはただの偏見だ。あなたがそうおもっただけで、それは事実じゃない。解釈をうたがうことで、「できるかもしれない」と気づき、「できた」という現実をつくれることを願う。

注意するポイント

我々は深く染みついた解釈を真実にしたがる、という習性をもっている。深い挫折経験や自信を喪失した経験があるひとほど「じぶんはダメだ」と根深く思っており、「じぶんはダメだ」という証明を、現実を使って行ってしまう。

よくあるのは、幼少期に親にちゃんと見てもらえなかった子が「じぶんはどうせ愛されない」と思い込み、なぜかくりかえし浮気されてしまうなどだ。実際は無意識に「浮気しそうな相手」を選んでしまっていたりするのだが、「やっぱり私は愛されないんだ...」という答え合わせを現実を使って行っている。

目標達成に関しても、「できない」という答え合わせのために目標を立てないこと。「この目標のためには今日これくらいのことをしなきゃいけないな、、」という逆算をしてみて、物理的に不可能になっていないかどうかを確認するといい。

参考文献

終わりに

だいぶ端折ったつもりですが、ちょっと長くなってしまいました。こういう話をすると「そんなとこまで考えているのは凄いですね」と言っていただけることがあるのですが、私としては逆だと思います。こういう小難しいことを考えるのは弱者の証拠です。まわりのつよいひとはいちいちこんなこと考えなくてもやっていけてます。そういった私とおなじ弱さを持った人の参考になればうれしいです。テンションで書いたので、分かりにくいところがあればまた聞いてくださいね。