執筆者 野津悠
2024/09/10
プログラム開発の仕事を受けるときや、仕事を分担するとき、外部に依頼するときなどに気を付けるべきことを、実際にそういった仕事しておられる方からお話しいただける機会がありました。このブログでは、そこで出てきた
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトの各工程のタスクを詳細な単位に分解する手法で、日本語では作業分解構成図と呼ばれます。 |
[図1]WBSテンプレート(縦向き)
1.プロジェクトのゴールの明確化
初めに、プロジェクトのゴールを明確化するために、クライアントにヒアリングを行います。クライアントの要望を抜けもれなくシステム開発に反映し、双方が共通認識を持てるようにすり合わせが大切になります。特にソフトウェアを成果物として納品する場合は、機能要件だけでなく、セキュリティや拡張性など非機能要件についても確認が必要です。 |
2.タスクの洗い出しと細分化
プロジェクト完成までに必要な作業内容をすべて洗い出します。まずはプロジェクト全体の流れを考え、大きなフェーズや作業プロセスでタスクをとらえてから、フェーズや作業プロセスごとにタスクの分解を繰り返していきます。その時に、タスクの重複や漏れがないように注意が必要です。 |
3.タスクの優先度の決定
細分化されたタスクの優先度を決定します。このとき、タスクの依存関係を考えるのがポイントです。強制依存関係(aが終わらないとBができない)、任意依存関係(任意だが先にやった方が効率的)、外部依存関係(第三者からの影響を受ける)などの関係性を考慮して順番を決めることが必要です。 |
4.作業担当者の決定
細分化されたタスクごとに作業担当者を設定します。担当者が複数人いると、責任の所在が曖昧になりやすいため、1作業につき1人の担当者を付けます。スケジュール通りに進まないことも多いため、WBSを定期的に見直しながら調整していき、場合によっては作業工程や仕様の見直し、人員の増加などで対処する必要があります。 |
5.タスクの期日の設定
担当者を設定した後にタスクの期日を設定します。期日の設定には、過去のプロジェクトの期日を参考にしたり、有識者の意見を聞いたり、作業担当者と相談して決定する方法があります。作業担当者のスキルや経験によって時間が異なるので、決めた後に必ず担当者に確認が必要です。 |
図1のほかに、このサイト(参考文献[3])でWBSの作成に使用できる2つのExcelテンプレートが提供されています。WBSを作成する際に使うと、作成に手間を削減できます。 |
【引用サイト】
[2]システム開発におけるWBSとは?目的や作り方・管理方法まで解説!
【参考文献】