AI対話システムの実用事例紹介

作成者:平木健太郎
投稿日:2023年12月28日

はじめに

本ブログではAI対話システムの実用事例について取り上げる。ChatGPT等のAI対話システムは昨今目まぐるしい勢いで成長を続けている。その影響はすさまじく娯楽やビジネスと様々な分野で活用が始まっている。本ブログでは、AI対話システムの実用事例を3つ紹介する。


よしこママ


図1 2020年コロナ禍の社会人へよしこからのメッセージポスター 引用 : [2]

1つ目に紹介する事例は「よしこママ」(図1)である。よしこママとは青山商事株式会社が無料で提供するAIチャットボットである[1]。よしこママは社会人の悩み事を聞き、その悩みにAIが自動で回答してくるシステムとなっている。よしこママは日本一のスナック街である宮崎県のニシタチで働くスナックのママたちの聞き上手技術を50時間かけて収集したビックデータをもとに作られている[2]。

このよしこママであるが、web上で気軽に試すことができる。しかし、社会人の悩み相談に特化したAI対話システムであるため、雑談や世間話には答えてくれないことが多い。よしこママが公開された2021年7月7日からわずか2か月で8万件以上の悩み相談が行われた。このデータからよしこママに質問した若者は「人間関係」で悩んでいることが多いというデータを得ることができた。青山商事株式会社は集まったデータを分析し、新しい商品やサービスの開発を進めていきたいとしている[3]。


Gatebox

2つ目に紹介する事例は「Gatebox」である。GateboxとはGatebox株式会社が発売するキャラクター召喚装置である[4]。Gateboxはビジネスの現場だけでなく娯楽として利用されることが多い。GateboxはChatGPTと連携を行い接客を行う「AIバイト」のサービスも行っており、店舗や展示会場などで接客・商品説明を行ってくれるサービスもある[5]。

Gateboxはビジネスの現場より、娯楽を目的として作られている商品であるためとても遊び心があると感じた。また、私の開発しているシステムと酷似しているため非常に興味深いサービスである。以下にGateboxのプロモーションビデオを掲載しておく。

Gatebox - Promotion Movie "OKAERI"_english Youtubeより

Bank of America 「Erica」

3つ目に紹介する事例は「Erica」である。Ericaとは、アメリカに本店を置く金融機関「Bank of America」が提供する音声やテキストなどで銀行処理の支援ができるカスタマーサービスである[6]。Ericaは「支店/ATM検索」や「過去の取引検索」などの必要不可欠なサービスはもちろん、「毎月の支出平均額は?」や「ATMカードのロック(利用一時停止)」などのサービスも行うことができる[7]。[2]。私も使用してから2週間ほど経ちますがまだ、ブラシを持ってないので年末までには準備したいです。

Bank of Americaをはじめ多くの金融機関でAI対話システムの導入は行われている。Ericaは金融機関で提供されるAI対話システムの先駆者な存在だと感じた。また、ATMカードのロックまでAI対話システムで行えることには正直驚いた。


最後に

本ブログではAI対話システムの実用事例を3つ紹介した。ChatGPTが台頭する昨今ではこれまで以上に多くの分野でAI対話システムが利用されるようになると感じた。しかし、現状多くのAI対話システムは必要に応じた内容の返答を行うものが多く、人間らしさはあまり感じられない。金融機関のサービス等であれば人間らしさは必要ないと思うが、よしこママのような人間と取って変わろうとするAIには人間らしさは必要不可欠であると私は考える。

参考資料


[1]青山商事に提供、AIチャットボットスナックママ「よしこ」わずか2ヶ月で相談件数8万件を突破!
[2]日本初、AIチャットボット スナックママ よしこ(第三形態)
[3]スナックママを AI 化した“日本初”のお悩み相談チャットボット 「よしこ」 わずか 2 ヶ月で相談件数が 8 万件越え! 集まった若者の悩み、心の声のデータを公開!よしこは第二形態へ
[4]キャラクター召喚装置「Gatebox」
[5]Gatebox これからはAIバイトがおもてなし
[6]バンク・オブ・アメリカ、AIアシスタント「Erica」を顧客サービスに正式導入
[7]音声応答によるカスタマー・サービス:Bank of America「Erica」のコロナウイルス対応