はじめに
皆さんは滋賀県といえば何を思い浮かべるだろうか?多くの人が日本最大の湖・琵琶湖、井伊直継が作った彦根城、この夏甲子園で活躍した近江高校などを思い浮かべるであろう。 実際に滋賀県は京都・大阪・兵庫といった大きな都市ある府県が近隣にありこれらの都市のベッドタウンとして扱われることの多い、いわば田舎である。内陸県であるため海はないものの、湖や河川、山など自然が豊かであるといえば聞こえはいいがどうしても近畿内では下の見下されることの多い県である。しかし、こんな滋賀県にも多くに魅力が存在する。今回紹介する漫画はそんな滋賀県の魅力や秘密を詰め込んだような一冊である。
  光成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―
今回紹介する漫画「光成さんは京都を許さない」は簡単に言えば京都と滋賀の見にくい小競り合いを描いたご当地漫画である。なぜか現代にタイムスリップした武将・石田三成が滋賀県知事の特別秘書として、滋賀の憎き天敵京都府を打ち滅ばすことを目指しあれやこれやと策を取る様子が愉快にコメディ調で描かれている。私は滋賀県の草津市(群馬の草津温泉の草津じゃないです…)出身で、およそ15年もの間滋賀県で暮らしていたが、そんな私や、私の両親も知らない滋賀の秘密が描かれており大変勉強になる。私は京都の高校に通っていたが、やはり滋賀県民の私たちは京都府民に馬鹿にされがちである。そんな私たちの決まり文句がこの漫画のサブタイトルにもなっている「琵琶湖の水止めるぞ!」である。琵琶湖の水は瀬田川から鴨川へと流れ、その後淀川→大阪湾へと流れている。そのため、京都や大阪の多くの地域では生活用水の一部の琵琶湖の水が活用されている。そのためもし琵琶湖の水を滋賀で止めてしまえば(そんなことは決してできないが…)、京都や大阪に住む使途の多くは生活用水がなくなり困ることになるのである。簡単に言えば「琵琶湖の水止める」というのは「滋賀を馬鹿にするなら琵琶湖の水なしで生活してね」という滋賀県民の渾身の捨て台詞である。私も友達に対してこの捨て台詞をよく使っていたがあくまで冗談で、決して仲が悪いというわけではないので安心してほしい。ただただ地元を馬鹿にされたのが気に入らないだけなのである。皆さんも他人の地元について都会だとか田舎だとかと馬鹿にしないように気を付けてほしい。
  最後に
今回は私の地元の滋賀県に関する漫画を紹介した。この漫画のあらすじにもあるように滋賀県はかつて「近江を制するものは天下を制す!!」といわれるほど日本の中でも強く重視されていた土地の1つである。だが今では近畿ヒエラルキーの下位に沈み、他府県からは「琵琶湖しかない」と小ばかにされる土地へとなってしまっている。
この夏、甲子園では近江高校が連日大きく報道され、滋賀県が注目された。これを機に皆さんも滋賀の魅力を少し味わってみてはいかがだろうか?漫画なんて呼んでる時間ないよって方!大丈夫!「光成さんは京都を許さない」は全4巻で多少の話のつながりはあるがほとんどか短編の読み切り漫画である。こち亀(全200巻)やワンピース(2022年8月時点で全102巻)と比べるとあっという間に読める量であろう。自身の勉強やゼミの課題などでスマホやPCで目を酷使している方も多いだろうが、たまにはゆっくりと漫画を読む休憩というのはいかがだろうか?
  参考文献
コミック:「光成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―」 作者:さかなこうじ BUNCH COICS
光成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―