2022/5/20 32245096 望月亮
はじめに
皆さんも一度は弓道という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、テレビなどではあまり注目されることもないため、詳しく知る人は少ないと思います。なので今回は元弓道部の僕が少しでも皆様に興味を持っていただくために紹介させていただきます。
1. 弓道の成り立ち
 弓道の起源は紀元前の狩猟で使われた弓矢であり。元は簡素なものでしたが、4世紀ごろに中国で基礎が確立したのち日本に伝来し、日本で独自に発展してきました。弓道は平安から鎌倉時代にかけて成立したと言われています。騎射三物(笠懸、流鏑馬、犬追物)という武家の稽古もあり、馬に乗って的を射抜くものでした。室町時代になるとさまざまな流派ができ、現在の弓道にかなり近いものとなります。しかし、戦国時代になると鉄砲が主に用いられるようになり、次第に戦場からは姿を消していきましたが、精神面での鍛錬として用いられることになりました。また昔は、弓術と呼ばれており。1900年代になって弓道と改称されました。
2.  弓道に必要な道具紹介
 上衣、袴、帯、足袋、胸当て 弓、弓懸.弽(ゆがけ)、矢、弦、ぎり粉、ふで粉 他のスポーツよりかなり必要なものが多いです。 また一つでも欠けてしまうと出来ませんし、人それぞれに合わせて作るので貸し借りもできません。さらに、弓具を跨ぐことは絶対にしてはいけないとされています。今回は特に重要な下の行の弓具の説明をしたいと思います。
 ・弓
 弓道で一番目立つもので、素材が竹とカーボンの2種類あります。長さは○尺○寸と表し、弓の強さはキロで表します。 カーボンは安価で長持ちします。年々進化して威力が高まり、使いやすくなっており、学生はほとんどカーボン製のものを使います。 一方竹は手入れをしなければ使い続けられませんが、使用者が育てていくようなものになっています。有段者の方やご高齢の方々が多く使用しています。 握りという弓を持つグリップ部分に一番負荷がかかり、牛の皮を使用しており汚れやすいため頻繁に貼り替えます。
 ・弓懸(ゆがけ)
 馬手(左手)にはめる鹿皮製の手袋のようなものです。もしこれを着けずに矢を射った場合最悪の場合指や耳が吹っ飛んだりします。三ツ弽や五ツ弽など、何本の指につけるかで名称が変わります。また皮を使っているためカビがよく生えるので夏場は特に注意して手入れをしなくてはなりません
 ・矢
 ジュラルミンとカーボンのものがあり最近はカーボンのものに移行しつつあります。自分の指先から胸の中心までの長さのものを作ってもらいます。羽も鷲のものを使用し手羽や尾羽の違いで数千円値段が違ってきます。
 ・弦
 安ければ300円高ければ2500円とピンキリな消耗品となっています。基本的に弦は100〜200本射るとボロボロになり、週に1回は変えるのお金がかかります。使えば使うほど、時間が経てば経つほど湿気等により伸びてしまうので毎日長さを測り調整しなければならず、面倒です。
 ・ぎり粉
 弓懸が傷つかないようにするためのもので松脂が使われています。とてもべたべたしていていいにおいではありません。
 ・ふで粉
 握りとの摩擦を生み出し、矢をまっすぐ放つようにするために弓手(左手)につけます。野球で言うロジン、体操の炭酸マグネシウムのようなものです。
3.  射法八節
 弓道に必要な8個の動きのことです
足踏み→胴作り→弓構え→打起こし→
引き分け→会→離れ→残心 となっています。
特に重要なのが引き分けから会にかけてで、ここで全てが決まります。会が短いことを早気と言い、直すのに時間がかかる弓道で最も難しいものの一つであり。弓道ではいくら射がきれいで的中率がよくても、早気だとだめだと評価されてしまいます。
4.  基本ルール
 射場から28m離れたところにある一尺二寸の的を狙う。決まった本数を中てる形式とどれだけ多く中てたかを競う2種類がある。 基本一立に4射となっていて全部中てる(あてる)ことを皆中と呼び、拍手がもらえます(やったね!)
5.  弓道小話
 雨に濡れたら本当に洒落にならず、弓具がだめになるので雨の日は本当に憂鬱。 矢速はおよそキロ数×10出るため15キロの弓だったら150キロとなるそのため30メートル先まで0.3〜0.1秒で到着する。 弦が頬や腕を掠めるととんでもない青あざができる。また耳が吹っ飛ぶことも稀にある、先輩が矢に当たった際は穴が開きました。 弓を初めて使う時は7〜9キロのものを使います。皆さんも簡単だと思うでしょ?これが本当に重たいんですよ、びっくりしますよ。ましてや10キロ台なんて全く引けません。 西洋弓と和弓の違いは矢を番えるところと矢尺の違いで和弓は上が長く、下が短く全長が2m20cmを超えますが西洋弓は真ん中にあり1m60cm程と短いのが特徴です。
6.  弓道の魅力
 弓道は基本個人戦なのですが団体戦もあるため、代表争いというのが起きます。他のメジャーなスポーツに比べ枠が少なく五人しか入れないのと、的中数が目に見えるのも相まって、ライバルとの争いが激しく大会前はとてもピリピリしています。そんな中やる弓道は最高に楽しいです。また、癖がついたら直すのに根気と時間がかかるのですが直った時や、上手くなっていくのを実感していくのはとてもやりがいがあり。ハマります。 弓道は初心者にはとても始めやすいので、大学在学時には厳しくとも、大人やお歳を召してから始めるのも悪くないと思います。生涯スポーツと言われる弓道をぜひ一度やっていただきたいです。
7.  まとめ
 今回は僕の大好きな弓道を紹介させていただきました。これで皆さんが少しでも弓道に興味関心を持っていただければ嬉しいです。 皆さんの「これは部活に入らなきゃわからないだろう」という部活あるあるがあったら教えてくだい、そういう話が大好きなので。