テキサスホールデム

2024/11/14 本田大空

テキサスホールデムとは

 テキサスホールデムとはポーカーの一種で、各プレイヤーごとに配られる2枚の手札、とコミュニティカードと呼ばれる全プレイヤー共通のカード(最大5枚)を組み合わせてプレイします。
 日本で有名なドローポーカー(5枚配られるポーカー)とは違い、こちらの方が世界的に有名で、実はあの野球よりも全世界プレイ人口が多いんです!

[画像1:ポーカー]


[画像2:野球]




1,テキサスホールデムのルール

 まず始めに、各プレイヤーに2枚のカードが表を伏せた状態で配られます。この2枚のカードを「ポケットカード」と呼び、 このカードが配られたら最初のベットラウンド(チップを賭けるフェーズ)である
「プリフロップ」[画像3]が開始します。

・プリフロップ


[画像3:プリフロップの様子]

 プリフロップでは、主に「コール(既定の参加費と同じ額をベット)」「フォールド(勝負から降りる)」「レイズ(既定の参加費以上の賭け金をベット)」
の3つの行動の中から選択でき、プレイヤー全員が行動を選択し終えたところで次のフェーズに移ります。

・フロップ


[画像4:フロップの様子]

 プリフロップでの賭けが終わった段階で、2名以上のプレイヤーが残っている場合は、テーブルに3枚の表向きのカードが出されます。これを「フロップ」[画像4]といいます。この3枚は全てのプレイヤーに共通のカードとして扱われ、各プレイヤーは自分の持つポケットカードと組み合わせた役の強さで勝負します。 ここでのベットラウンドでは主に「ベット(チップを掛ける)」「フォールド(勝負から降りる)」「レイズ(賭け金を増やす)」「チェック(チップを賭けずに様子見)」の4つの行動があり、プレイヤー全員が選択し終えたところで次のフェーズに移ります。

・ターン、リバー


[画像5:ターンの様子]


[画像6:リバーの様子]

 フロップでの賭けが終わると、さらにもう1枚の共通カードが開きます。これを「ターン」[画像5]と呼びます。フロップと同様に、ターンでの賭けが終わると、最後の1枚となる共通カードが開きます。これを「リバー」[画像6]と呼びます。 ここですべてのカードが出揃い、プレイヤーは自分の持つポケットカード2枚とテーブルに開かれた5枚のコミュニティカードの合計7枚のうち5枚のカードを組み合わせた役の強さで勝負し、勝負に勝った方が賭け金を総取りします。
 ここまでが主なテキサスホールデムのルール解説になります。




2,大会

世界ではテキサスホールデムの大会がいくつも開かれています。規模の大きいものから小さいものまで様々ですが、ここでは世界3大タイトルと言われている特に有名な3つを紹介します。

・WSOP


[画像7:WSOP]

 WSOP(World Series Of Poker)はロサンゼルスで開催される代表的な世界大会です。メインイベントの参加費は日本円で一人約150万とかなり高額なものですが、2023年の優勝賞金はなんと約16億円にもなりました。 優勝賞金に加え、優勝した人には専用のブレスレットが贈呈されます。このブレスレットを与えられることが全ポーカープレイヤーの夢となっているのです。

・WPT


[画像8:WPT]

 WPT(World Poker Tour)は日本国内でも開催される大会です。WPT TOKYO 2023ではメインイベントの優勝賞金として1億円が出されました。海外へ行かずとも、大きなタイトルで結果を残せるチャンスがあるのは嬉しいですね!

・EPT


[画像9:EPT]

 EPT(European Poker Tour)は欧州で開催される大会です。バルセロナ・ロンドン・モンテカルロなど、欧州の様々な地域で開催されます。メインイベントの優勝賞金は1億円以上が出されることもあります。元々はWPTのスピンオフとして開催された大会だった大会ですが、現在ではテレビやインターネットなどでも中継が行われ、非常に人気の大会です。




3,勝つための考え方

テキサスホールデムで勝つための考え方として、「バリュー」「ブラフ」の2つのパターンがあります。

バリュー

 自分よりも弱い役を持っている相手からチップを取ることをバリューと呼びます。テキサスホールデムにおいてスタンダードな戦略であり、一般的に初心者はまずバリューで相手からチップをとることを目標とします。 基本的には、勝っていそうな相手にフォールドされないような程度でどんどんベットしていくのがコツです。ただし、自分よりも強い役を相手が持っている可能性もあり、相手の行動によっては慎重な判断を迫られることもあるので注意が必要です。

ブラフ

 自分よりも強い役を持っている相手からチップを取ることをブラフと呼びます。相手に「自分よりも強い役を持っている」と思わせるようなベットをすることで、相手をフォールドさせてチップを奪います。  自分が本来チップを失う展開となる場面でもチップを奪うことができるのでとても強力ですが、バリューよりも難しいことが多いので初心者にはオススメできない戦略です。  高いレートのキャッシュゲーム(お金を賭けたゲーム)や重要な大会などでは、慣れているプレイヤーでも難しいので、ハートの強い方にぴったりな戦略と言えますね。

2つの戦略を取ることで起こること

 上で説明した2つの戦略を取れるようになると、面白いことが起こります。ブラフをしたとき、相手はどのような感想を持つと思いますか?まず第一にくる感情はブラフされたことに対する「悔しい」「コールできていたら...」というものではないでしょうか。「勝っていたのに降ろされた」となると悔しくなってしまう人がほとんどでしょう(自分もその一人です...)。 そしてそのあとにくるのは、「この人はブラフをするタイプなんだな」というプレイスタイルの分析です。この分析によって、相手は自分のベットに対して多少なりとも強気なコール・レイズが増えていきます。こうなると当然ブラフの成功率が下がってしまうわけですが、裏を返せばこのとき、バリューの成功率が上がっています。 本来は降りられてしまいそうな大きなベットに、相手がコールしてくれるようになるのです。その逆も然り、自分がバリューしかしない人と相手に印象付けることができれば、ブラフの成功率が上がり、本来はコールされてしまいそうなブラフでも相手を下すことができるようになります。
 相手の心理を読み取り、相手から自分がどのように見えているかを正しく見極めることができれば、バリューとブラフの2つの戦略に大きな価値をつけることができるのです。



<参考>
Wikipedia(ルール)
poker-Lab(役の強さ)
Adobe-Stock(画像1・2)
さくらゲームズ(画像3~6)
WSOP(画像7)
EPT(画像8)
WPT(画像9)