梅雨のひみつ
最終更新:2025/6/18
作成者:佐々木楽隼
さっそく今年度初のブログを更新していきます。
6月になると雨が降る日が多くなり湿度が高い日が増えます。ではなぜこの時期は雨が多いのでしょうか。多くの人は梅雨に雨が降るのは当たり前としているでしょう。
夏や冬どの気温の変化は公転や自転角度によるものですが梅雨にも理由はあります。
梅雨の定義
「梅雨」の名前は、この時期に梅の実が熟すことから来ています。それは別として、気象庁では梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる期間」と定義しており、季節が移り変わる中で現れる季節現象の一つとしています。そのため日付等の明確な定義はなく毎年、気象庁が梅雨入りと梅雨明けを宣言しています。
また、その宣言する日にちも〇月〇日ごろとしていてその前後を指します。さらに地域ごとに細かく分類されています[1]。2024年度の梅雨入りと梅雨明けの地域ごとの時期は気象庁が公表しています[2]。
前線について
梅雨の発生にはこの時期に発生する梅雨前線が関係しています。
大前提として、前線につていおさらいしておきましょう。前線とは冷たい空気と暖かい空気の境界線のことです。この2つがぶつかると冷たい空気は下に潜り込み、暖かい空気は上にかぶさります。また、この間では気温、湿度、気圧の変化により様々な現象が起こります。
また、図1より前線は4種類があります。

図1 前線の種類
温暖前線、寒冷前線は暖気と冷気のどちらの方が強いかに応じて分類されませます。そして、閉塞前線は寒冷前線が温暖前線に追いつくことにより空気が閉じ込められ起こります。最後に停滞前線とは歓喜と暖気の勢力がほぼ同じであり、その境界面がなかなか
変化しない前線のことを指します。梅雨前線とはこの停滞前線の1種とされているのです。
気団について
梅雨の原因は梅雨前線でありますが、その発生については気団についても知っておかなければなりません。
まず、空気が上空に移動し気圧が高くなっている領域のことを高気圧といいます。この高気圧が長期間、滞在することでその周辺の地域は同じような気温や湿度の特徴をもつようになります。これが気団です。
そのため、気団では気温や湿度がほぼ一定となっています。そして、日本の周辺には以4つの気団があります。それぞれの気団の名前や性質は図2のとおりです[3]。

図2 日本周辺の気団
梅雨のメカニズム
いよいよ、梅雨の原理について説明していきます。日本周辺のそれぞれの気団には発達する時期というのがあります。シベリア気団は冬、オホーツク海気団は初夏と秋、揚子江気団は春と秋、小笠原気団は夏に発達します。
そして、6月ごろになると季節は夏に移り変わっていき低温のオホーツク海気団と高温の小笠原気団の2つが発達し始めます。この温度の異なる2つの気団がぶつかることで停滞前線、いわゆる梅雨前線が形成されます[4]。

図4 初夏に発達する気団
また、前線とは暖気と冷気の境界であるため
その周辺では大気の状態が不安定になりやすくなるため、この時期は雨が降りやすいのです。
ちなみに、秋ごろに発生する秋雨前線も同じような原理によって発生しています。
梅雨が長くなる!?
梅雨のメカニズムを理解すると、一つ気になることがあります。それは地球温暖化によって梅雨は変化してるのかという点です。
結論からいうと、変化すると予測されています。まず、温暖化によって大気中の水蒸気量が増加することで降雨量が増加します。それにより、多めや集中豪雨が増えるでしょう。近年、記録的大雨のの更新のニュースをよく目にするのはこれが原因です。
さらに、偏西風による梅雨前線の北上遅れることも予測されいいるうえ、雨雲が多く生成されることも合わせて梅雨明けが遅れてしまいます。これにより、日本の四季に雨季が追加されることが危惧されています[5]。
まとめ
今回は梅雨の発生について中学理科の知識を使いつつまとめました。日本の四季にかかわることなので今後、関心を高めていけたらと思います。
参考資料
・[1]https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html
・[2]https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/seasonal/202408/tsuyu2024.pdf
・[3]https://terakoya.ameba.jp/a000001595/#ny2hyzoq
・[4]https://spreading-earth-science.com/what-is-rainy-season/
・[5]https://h-genkon.jp/hokugenkon-park/library/column2/ondanka_tsuyu/