おすすめの作家 湊かなえさんについて

作成者:海野紗綾
投稿日:2024年12月26日

はじめに

今回は湊かなえさんという作家について述べる。湊かなえさんは『イヤミスの女王』と呼ばれることも多く、世界観がはっきりしており、リアルに描かれるキャラクターが魅力である。 またイヤミスとは、いやな気持ちになるミステリーの略称のことである[1]。

湊かなえ

湊かなえさんの写真
著者紹介❘湊かなえ Kanae Minato 双葉社オフィシャルサイト より引用)

1973年、広島県生まれ。 2005年、第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。07年、第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。 08年同作品を収録した『告白』でデビューし、「2008年週刊文春ミステリーベスト10」第1位、09年本屋大賞を受賞。 また14年には、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙のミステリーベスト10に、15年には全米図書館協会アレックス賞に選ばれた。 12年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。16年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。18年『贖罪』がエドガー賞(ペーパーバック・オリジナル部門)にノミネートされた。 近刊に『未来』『ドキュメント』『残照の頂 続・山女日記』『湊かなえのことば結び』などがある[2]。

主な著書

告白、少女、贖罪、Nのために、夜行観覧車、花の鎖、境遇、白ゆき姫殺人事件、母性、高校入試、豆の上で眠る、絶唱、リバース、ユートピア、未来、ブロードキャスト、落日、カケラ 等([3]を参考)


おすすめの作品とあらすじ

『告白』

『告白』の写真
告白のあらすじ解説 より引用)

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 中学1年生3学期の終業式の日、担任である森口裕子は教師を辞めると発表する。 原因は、森口の娘・愛美が中学校のプールで溺死するという事故が起きたからである。 しかし、更に森口はクラス内にいる二人の少年の犯行であり、その二人に対してすでに復讐をしたとも告げた。 二人の少年をA、Bとし、森口は事件の真相を語り始めるのであった。

おすすめポイント

語り手が次々に変わることで、当初は級友の目線から語られていた物語が、やがて犯人や共犯者の視点で語られていると明らかになる。その過程で、何気なく描かれていたことが実は大きな伏線であることが分かるなど、計算しつくされた物語である。 ラストはとても衝撃的で、森口の告白が復讐だったのか、教師としての使命感によるものだったのか、読者によって様々な解釈ができる。こうした考察ができるところもこの物語の大きな魅力といえる。

『高校入試』

『キャロリング』の写真
「高校入試」湊かなえ [角川文庫] - KADOKAWA より引用)

あらすじ

県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす! 」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。 遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂![4]

おすすめポイント

この物語では、次々に登場人物同士の隠された関係性が明らかになり、物語が進むにつれて緊張感が高まっていく。最後の最後まで犯人の見当がつかず、結末で明かされる真相に心底驚かされた記憶がある。

まとめ

今回は私が好きな湊かなえさんについて紹介した。 湊かなえさんの作品はメディア化されている作品も多いため、原作とあわせてみることもおすすめである。 今回紹介した作品以外にも魅力あふれる作品が多いので、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。

参考

[1]小説家『湊かなえ』は、なぜ “イヤミスの女王” と呼ばれたのか?その作品の魅力を解説! - my HERO -
[2]著者紹介❘湊かなえ Kanae Minato 双葉社オフィシャルサイト
[3]【2024年版】湊かなえ 刊行順(出版順)の全作品一覧とあらすじ紹介|フィクションのるつぼ
[4]「高校入試」湊かなえ [角川文庫] - KADOKAWA