オリーブオイルは健康食品の親玉的存在です。オレイン酸やリノール酸といった健康効果の高い脂肪酸が含まれています。 悪玉コレステロールを減少させることから、動脈硬化や生活習慣病の予防や、便秘の改善にも有効とされています。 肌や筋肉にも良いビタミンAやビタミンEも豊富という優れものです[1]。しかもお手頃価格でスーパーにもたくさん並んでいるので、すでに使ってるYO!という人も多いでしょう。中でも、「エキストラバージンオリーブオイル」はパワー増強用語※である「エキストラ」「バージン」を冠につけているので、きっとものすごくよいものだ、と信じている人が多いでしょう。私もその一人です。
※超とかハイパーとか。
ところが、エキストラバージンオリーブオイルの90%が偽物だ、といわれています[2][3]。日本にはエキストラバージンオリーブオイルに対する明確な基準がないので、適当にラベルに「エキストラバージンオリーブオイル」と書いてもお咎めなし。となれば誰だってラベルには「エキストラバージンオリーブオイル」と書きますよね。本物のエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの果実を絞り、ろ過したもの。それ以外には、手が加えられていない状態を指します。国際基準で酸度0.8%以下とされています[3]。
90%が偽物、と言われると、スーパーで易く売ってるものはダメなんだろうなと思ってしまいますし、大手メーカーなんかは基本的にダメなんじゃないかってつい偏見を持ってしまうところなのですが、そこはほかの人も同じ疑問を持つみたいで、調査結果をyoutube等で観ることができます。その範囲では、国際的な標準をきちんとクリアしているように見えます。
もっとも、偽物の場合、他のオイルや化学物質を添加して酸度0.8%以下になるよう加工していることもあるそうなので、酸度を検査するだけでは本物と断定できないようです。さらに業界では、普通のオリーブオイルとエキストラバージンオリーブオイルを混ぜたものを「ピュアオリーブオイル」と呼びます。エキストラバージンオリーブオイルより品質は劣るのですが、高級そうに見えますね。
でもここでの品質とは酸度ではなく、「香り」と「味」のことだ、という点には注意しなければなりません。つまり、酸度が高くて健康上の効果が劣る、という話ではありません。というわけで、値段が違うと味が違うのか??を試してみようというのがこの企画です。
あまりにも品質が違うものを比べると、味が違って当然!ということになりかねないので、自分でよく買っているオリーブオイルのひとつである「ファルキオーニ社 有機オリーブオイル(右)」と、「メルガレホ社 ピクアル プレミアム(左)」を比較することにしました。どちらも、いわゆる「本物」とされる商品です。認定マークもちゃんとついています。しかし左側のメルガレホ社 ピクアル プレミアムのほうはとにかく受賞が多い!。
まず二つのオリーブオイルを皿にあけてみる。すると、色がはっきり違う。受賞の多いピクアルの方は明らかに濃い。
これほどはっきりと味が違うとは。一言でいえば「濃厚」。メルガレホ社 ピクアル プレミアムのほうは色、香り、味すべてが「濃厚」。ただし、この味を美味しいと感じるには、オリーブオイルに慣れていることが必要のようにも感じます。市販のサラダオイルをやめて、エクストラバージンオリーブオイルと天然塩を少々でサラダを食べるようになりはじめたときは、オリーブオイルの独特のにおいが気になって「これで食べ続けられるかなー」なんて不安になったことを思い出しました。翌日からまったく気にならなくなったというか、むしろ好きになったんですけれどね。
受賞履歴の豊富なエクストラバージンオリーブオイルは、色・香り・味のすべてが濃厚でした。毎日サラダにオリーブオイルを使っている自分にとっては、この濃度は病みつきになりそうです。しかしながら初心者にとってはもしかしたらクセが強いと感じるかもしれません。