NFTとは「Non-Fungible Token」の略で、「非代替性トークン」という意味です。いま流行っているキーワードの一つなので知っている人も多いでしょう。一般的に電子データはコピーができます。これはとても便利な性質なのですが、コピーを簡単に取られたら困るという場面もあります。世の中に希少だからこそ、価値があるということもありますし、唯一これだけだからこそ価値がある、ということもあります。NFTがあれば、それがコピーではなく唯一のものであるということを証明することができるので、ビジネス上大きな期待がされているところでもあります。ただ、NFTがあっても「コピー自体はできる」ということには注意が必要です。「これはコピーしてきたものではありません」ということを立証してくれるだけです。だから、たとえばコンテンツ業界(音楽や映画を販売している業界)では、NFTはあんまり役立たない可能性があります。結局コピーでいいからデータさえあればそれでいい、という人に対しては何にも効力がないからですね。もちろん、正当に購入したものではありませんね?ということを立証することは容易になりますから、まったく役立たないわけではないでしょう。でもこのお店で売っているものは、正当に仕入れたものではない、という立証はほかの手段で簡単にできてしまいますから、わざわざNFTを導入する必要性は高くありません。
ステガノグラフィー(中: 隠写術,英: steganography)とは、情報隠蔽技術の一つであり、情報を他の情報に埋め込む技術のこと、あるいはその研究を指します[1]。一般的には、暗号であることすら気づけないような外観を伴って作成したものを指しているように思います(そうでなかったら、単に暗号化技術です)。紙幣に印刷された「透かし」も広くステガノグラフィーの一種とされることもあります。縦読みは立派なステガノグラフィーと考えられています。
wikipediaに掲載されている縦読みの例
作る手順は基本的に、まず読ませたい文章(縦、又は斜め)を考え、それが頭文字になるよう本文を考える、という順番であ
る。これには高度な技術と豊富な語彙が必要になり、中には斜め、下から上、一つの文章に2列以上の読みが隠されているも
のもある。使用される場面は、主に掲示板などであり、ほとんどの場合、縦読みには本文とは正反対の文章 が隠されているた
め、しばしば煽りに使われる。また、掲示板等のホームページの管理人に縦読みを仕込んだメールを送ったり、ブログ等のコメ
ント欄に縦読みのコメントを仕込み、削除されるのを避けるという使い方もされ、否定的なイメージがあるが、谷川俊太郎な
ども、縦読みの手法を扱った詩を書いていて、漫画「デスノート」でも、横読みの文章(縦書きの文章に横読みの文章)が書
いてある遺書などが作中で出てきており、インターネット以外にも縦読みの手法は使用されている。
ステガノグラフィーは非常に広い技術範囲を含むので、ここでは詳細に触れませんが日常生活でもいろいろ作ることができるので、興味ある人はぜひ作って(使って)みてください。
良く知られた例。答えが隠されている
「わざと間違えた情報を埋め込むことで、コピーであることを立証する技術」がステガノグラフィーに含まれる、という見解は多数派ではありませんが、私個人としては、広義のステガノグラフィーに含めてよいのではないかと考えています。
過去、こんな事件がありました[2]。NTTが発行している「タウンページ(電話帳)」をまるごとコピーして独自に出版する、という会社が現れたんですね。そこでNTTが訴えたわけですが、被告会社は「いや、独自に入力して作成したのだ。まるごとコピーなんてしてませんよ」と抗弁したのです。ところがタウンページでは実際の漢字を一定のルールで別の漢字に置き換えて表示する、という「罠」を仕掛けておいたんですね。被告会社の製品にも、この置き換えた漢字がそのまま使われていて、独自に集めたのではない、ということが立証されてしまいました。
ちなみに、電話帳や地図のように「詳細に作れば作るほど、誰が作っても同じになるはずのもの」は原則として著作物とは認められません。著作権が認められるためにはいくつかの要件があるのですが、それはまた別の機会に。ともかく、タウンページには著作物として認められ、なおかつ被告の製品は原告の製品(タウンページ)に依拠して作成されたということが立証されたので、結論として原告の請求(著作権の侵害)は認められました。
このように、あえて文章内に(表面上は気づきにくい)誤字を含ませておくことで自分の著作がそのまま使われていることを立証しようとする技術は、広く使われるようになっています。
こちらも、誤字トラップの一種です。先日、ある方が
「⽗親」でググると19万件マッチするが「父親」だと2億5千万件マッチする。とfacebookに書いておられました。こういう文字は表面からわかりにくいのでコピペしたかどうかの判定に利用できる可能性があります。試しに、上の「父親」の文字をそれぞれカットアンドペーストして検索してみてください。まったく違う文字として検索できます。というか、最初の文字列で19万件もヒットすることに驚きましたが。
この文字が異なる理由は、前者の「父」の文字が「康煕部首」で普通の文字ではないからです。いくつかの情報を康煕部首に置き換えておくだけでweb上では全く違和感なく表示していてもそのままコピーしていたら立証できる、という文字もあります。レポート等を執筆するときに使っておき、執筆者が誰なのかが争いになったときに立証できるようにしておく、ということができるかもしれませんね。